
遺産分割協議書作成するのに相続人一人が認知の場合は、遺産分割協議は成立できるのか?
遺産分割協議を成立させるためには、全ての相続人が有効な意思表示を行えることが必要です。したがって、相続人のうち一人でも認知症等により判断能力を欠いている場合、そのままでは遺産分割協議は無効となる可能性が高いです。
以下に、認知症の相続人がいる場合の対応方法を整理します。
■ 認知症の相続人がいる場合の対応方法
【1】判断能力が不十分な場合
相続人の一人が認知症で、自らの意思で遺産分割協議に参加できない場合:
▶ 家庭裁判所に「成年後見人」の選任を申立てる必要があります。
成年後見人が選任されれば、その人が代わりに遺産分割協議に参加します。
成年後見制度には以下の3つのタイプがあります:
成年後見(重度の判断能力低下)
保佐(中程度の判断能力低下)
補助(軽度)
※実務上、認知症で判断能力がほとんどない場合は「成年後見」が使われることが多いです。
【2】成年後見人を選任した場合の留意点
成年後見人は、本人(被後見人)にとって不利益な遺産分割には同意できません。
他の相続人が成年後見人になることは利益相反になるため原則できません。
利益相反がある場合、別途「特別代理人」の選任が必要になることもあります。
■ 結論
認知症の相続人がいる場合、そのままでは遺産分割協議は成立しません。
必ず家庭裁判所を通じて後見人(または必要に応じて特別代理人)を立てたうえで、全員の合意により協議を行う必要があります。
