
【注意!】相続時精算課税の贈与でも遺留分請求される可能性があります
2024年の制度改正で注目を集めている「相続時精算課税制度」。
贈与税が非課税になる110万円枠が追加されるなど、相続対策として利用する方が増えています。
しかし、ここで気をつけたいのが、**「相続時精算課税で贈与した財産は、他の相続人から遺留分を請求される可能性がある」**という点です。
■ 相続時精算課税ってどんな制度?
この制度は、60歳以上の父母や祖父母から、18歳以上の子や孫に対して財産を贈与する際に使える特例です。
2,500万円までは贈与税がかからず非課税
ただし、贈与を受けた財産は、将来、贈与者が亡くなったときに「相続財産として合算」され、相続税が課税されます
つまり、「贈与税は先送りにして、相続税でまとめて計算しましょう」という仕組みです。
■ 相続税の問題ではなく、「民法上の相続トラブル」に注意!
この制度で多額の財産をもらった場合、注意しなければならないのは税金だけではありません。
民法では、配偶者や子どもには「遺留分」という最低限の取り分が保証されています。
▷ 遺留分とは?
例えば、お父さんが生前に長男にすべての財産を贈与してしまった場合でも、他の相続人(たとえば次男)は「最低限の取り分(遺留分)」を主張することができます。
■ 相続時精算課税の贈与も「遺留分の対象」になる!
ここが今回の重要ポイントです。
相続時精算課税を使って生前に贈与された財産も、民法上は「贈与」として扱われ、遺留分の計算に含まれます。
つまり、贈与を受けた人は、
他の相続人から「遺留分侵害額請求」をされる可能性がある
せっかく贈与で受け取った財産でも、一部を「お金で支払う」ことになるケースもある
ということです。
■ こんなケースに要注意!
ケース1:
長男に相続時精算課税で不動産を2,000万円分贈与
→ その後、父が亡くなり、次男が「自分の遺留分が侵害されている」と請求してきた
ケース2:
母が生前に孫に教育資金として多額の贈与をしたが、将来、その分を他の相続人が問題視して紛争に発展
■ 対策するにはどうすればいい?
遺言書や家族信託などで、贈与や相続の意図を明確にしておく
事前に相続人間で話し合いを行い、不公平感を防ぐ
生前贈与だけで安心せず、遺留分に配慮した相続設計をする
■ まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 相続時精算課税の贈与 | 税法上は「非課税」でも、民法上は「贈与」として扱われる |
| 遺留分請求の対象? | はい、対象になります |
| 対策 | 遺言書、家族会議、専門家のアドバイスが重要 |
相続や贈与は、税金だけでなく「法律上のトラブル」も意識しましょう
生前贈与は有効な相続対策ですが、それだけでは不十分なこともあります。
家族間の「もめない相続」を実現するには、遺留分への理解と、早めの準備が欠かせません。
不動産や贈与を含む相続設計でお悩みの方は、お気軽に専門家へご相談ください。
