
遺言書の作成の落とし穴!
遺言書は相続をスムーズに進めるための重要なツールですが、いくつかの「落とし穴」があり、注意が必要です。以下に代表的なポイントを挙げます。
1. 法的要件を満たしていない
遺言書には主に3つの種類(自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言)がありますが、それぞれに法律上の要件があります。例えば、自筆証書遺言の場合:
全文を自筆で書く必要がある(パソコンや代筆は無効)
日付・署名・押印が必要
財産目録は自筆でなくても可だが、各ページに署名押印が必要
不備があると、遺言書が無効になる可能性があります。
2. 法定相続人の遺留分を侵害
遺留分(配偶者や子供、直系尊属が最低限相続できる権利)を考慮せずに遺言を作成すると、相続人から「遺留分侵害額請求」される可能性があります。 例えば、「すべての財産を特定の子どもに相続させる」と記しても、他の相続人が遺留分を主張すればトラブルになります。
3. 遺言執行者がいない、または適任者でない
遺言に「遺言執行者」を指定しておかないと、相続手続きが煩雑になり、相続人間でトラブルが生じやすくなります。また、適任者(信頼できる人や専門家)でないと、適切に執行されない可能性があります。
4. 不動産の特定が曖昧
「自宅を長男に相続させる」と書いても、どの不動産か明確でない場合、無効とされる可能性があります。地番や登記簿上の記載を明確に書くことが重要です。
5. 変更・撤回を忘れる
遺言書を作成後に状況が変わることがあります(結婚・離婚・相続人の死亡など)。古い遺言をそのままにしておくと、現状に合わない内容が残り、トラブルにつながることがあります。適宜見直しが必要です。
6. 保管場所の問題
せっかく作成した遺言書が見つからなかったり、紛失・改ざんされるリスクがあります。公正証書遺言なら公証役場に保管されますし、自筆証書遺言も法務局の「遺言書保管制度」を利用すると安全です。
7. 付言事項がない
遺言の中に、相続人へ向けた「気持ち(付言事項)」を書かないと、遺産分割の意図が十分に伝わらず、相続人の不満を招くことがあります。「なぜこのような分配にしたのか」などを記しておくと、紛争防止につながります。
まとめ
遺言書を作成する際は、単に書くだけでなく、法的要件を満たし、相続人の権利を考慮し、適切に保管することが重要です。トラブルを避けるためには、弁護士や司法書士など専門家のアドバイスを受けるのが安心です。
