
親の介護費用と相続財産の関係
親の介護費用と相続財産の関係
親の介護費用と相続財産は密接に関係しています。特に、親の介護を負担してきた子どもと、相続財産の分配に関するトラブルが起こることもあります。以下のポイントを押さえておくと、後々のトラブルを避けやすくなります。
1. 親の介護費用は誰が負担するのか?
介護費用は、原則として親本人の資産(年金、預貯金、不動産など)で支払うのが基本です。しかし、親の資産だけでは不足する場合、以下の方法で支払われることが多いです。
家族(子どもや配偶者)が負担
→ 民法877条により、直系親族(子ども)には扶養義務があるため、経済状況によっては負担することになります。親の財産を処分して支払う
→ 不動産を売却する(リバースモーゲージなども活用可能)
→ 預貯金を取り崩す公的支援を受ける
→ 介護保険、高額介護サービス費制度、生活保護 など
2. 介護費用を負担した人と相続財産
介護をしてきた子どもと、してこなかった子どもの間で「相続財産の分配」をめぐってトラブルになることがあります。以下の制度を理解しておくと、適切な対応ができます。
(1) 特別寄与料(特別寄与分)
2019年の相続法改正により、「介護をした子ども(親族)」が相続財産から金銭の請求をできる制度ができました。
たとえば、長年親の介護をしてきたのに、相続時に他の兄弟と均等に分けるのは不公平だと考えられる場合、この制度を使って「介護の貢献分」を請求できます。
ポイント
介護をした子どもは、相続人(例:兄弟)に金銭を請求できる
ただし、裁判所の判断が必要になることが多い
介護の内容(期間、労力、支出額)を記録しておくことが重要
(2) 遺産分割協議で考慮
相続人同士で話し合い(遺産分割協議)をする際、「介護をした分を多めにもらう」ように話し合うことも可能です。
ただし、遺言書がある場合は、それに従う必要があります。
3. 介護費用と親の財産の管理
(1) 生前に親の財産を管理する方法
成年後見制度(親が認知症などで判断能力が低下した場合)
→ 親の資産を勝手に使うと「横領」とされるため、成年後見人を立てると適正な管理が可能家族信託(親の資産管理を子どもが担う)
→ 財産を適切に活用し、介護費用に充てられる
4. 介護費用を負担したのに相続できない場合
「親の介護をしてきたのに、相続では平等に分配されて不公平」と感じるケースもあります。この場合、以下の方法を検討できます。
親に遺言を書いてもらう(介護した子どもが多めにもらえるように指定)
特別寄与料を請求する(相続後、裁判所に申し立て)
生前贈与を受ける(生前に親から財産をもらう)
まとめ
親の介護費用は、原則として親の財産から支払うが、不足する場合は子どもが負担することもある。
介護をしてきた子どもは、相続の際に「特別寄与料」を請求できる。
相続トラブルを防ぐためには、事前に親と話し合い、遺言や財産管理の方法を決めておくことが重要。
介護をする側が損をしないように、事前の準備や話し合いが大切ですね。
